ナノキャリアとアクセリードの包括的な協業に関する契約締結に関するお知らせ
ナノキャリア株式会社(代表取締役社長 秋永士朗)(以下「ナノキャリア」といいます。)は、アクセリード株式会社(代表取締役社長 藤澤朋行)(以下「アクセリード」といいます。)とmRNA医薬品の研究開発・製造に関する包括的協業関係(以下「本協業」といいます。)に関する契約(以下「本契約」といいます。)を締結しましたのでお知らせいたします。
ナノキャリアは、ミセル化ナノ粒子技術を活用した抗がん剤を中心に臨床開発を進めてまいりましたが、主要評価項目未達のため、相次いで開発を中止しました。これを受けて、成長戦略の再構築を検討してまいりました。ナノキャリアは、今後自社で後期臨床開発は実施しないこととし、新型コロナウイルスのパンデミックによるモダリティのダイナミックな変化をチャンスと捉え、これまで手掛けてきた核酸医薬品の研究開発の経験及びこの過程で構築したグローバルのバイオベンチャー、アカデミアや、日本の政府機関等とのネットワークを活かし、mRNA医薬品の技術、知的財産(以下「IP」という。)を創出し、非臨床段階から導出することにより収益を生み出す企業にビジネスモデルを変換していくことといたしました。
アクセリードは、持株会社として武田薬品工業株式会社(東証1部:4502)の200人を越す中核研究チームがスピンアウトした日本最大級の統合的創薬プラットフォーム企業であるAxcelead Drug Discovery Partners株式会社(以下「Axcelead DDP」といいます。)及び、mRNA医薬品開発の米Arcturus Therapeutic Holdings Inc.(NASDAQ: ARCT)との合弁で設立されたmRNA医薬品のワンストップ受託開発製造会社(CDMO)を目指す株式会社ARCALIS(以下「ARCALIS」といいます。)を傘下に保有しております。Axcelead DDPの専門家チームは、これまで100以上の新薬臨床試験開始申請(IND)、20以上の新薬承認申請(NDA)を行ったトラックレコードをもっております。また、ARCALISは、現在福島県南相馬市に工場を建設中であり、現行の医薬品適正製造基準(以下、cGMP)を満たした最先端の製造管理、品質管理システムを備え、全世界を対象にmRNA ワクチン、医薬品の受託製造を行う予定です。
これまでに、両社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業に採用された変形性関節症(OA)に対するmRNAを用いた治療薬の開発するための合弁会社、株式会社PrimRNAを2021年4月に設立しております。
今回、新しいmRNA医薬ビジネスを推進するにあたり、mRNA医薬品の研究開発・製造に関する一連の業務において包括的協業関係の構築を目的に、両社で新たに包括的協業に関する本契約を締結いたしました。本協業では、外部リソースを最大限活用し研究開発を推進することで研究開発に係わる固定費を削減し、製薬会社への導出確度が高い魅力的な新規mRNA医薬品のIPを創出していきます。本契約によって、製薬会社の研究開発ニーズに合致した新規mRNA創薬ターゲットの創出、非臨床試験の実施、新規医薬品候補IPの創出、並びに、製薬会社へのIPの売却まで一貫して両社一体化したビジネスを推進いたします。
これを受けて、ナノキャリアの秋永社長は「mRNAという新たなモダリティを用いた創薬を国内では約6年程前から他社に先駆けて行ってきました。今回、アクセリードと協業することで、mRNA医薬のCMCおよび非臨床開発機能が飛躍的に向上し、様々な疾患領域をカバーする新たなmRNA医薬を次々と創出し、グローバルに提供できるものと期待しております。」とコメントし、アクセリードの藤澤社長は「アクセリードとナノキャリアが協業することで効率的に複数のmRNA医薬品の創薬研究を行うことが可能となります。市場ニーズを把握した上で、新規mRNA医薬品のIP獲得を迅速に行うことが可能となることから、臨床候補化合物決定からINDまでの非臨床開発ステージでグローバル製薬会社に効率的な導出を可能とするmRNA医薬品モダリティの創薬IP開発事業を展開できると期待しております。」とコメントしております。
なお、本件によるナノキャリアの2023年3月期業績への影響は軽微ですが、本協業は中長期的な企業価値の向上に資するものと考えております。今後の業績に影響が出た場合には速やかに開示いたします。また、すでに推進している候補品も含め、順次、新たなmRNA医薬品候補の詳細を開示していく予定です。なお、本協業は適時開示基準に該当しませんが、有用な情報と判断し任意開示を行うものであります。
また、ナノキャリアは、本協業に向けて、アクセリードを自身の投資ファンドを通じて100%保有する株式会社ウィズ・パートナーズとの資本関係を強化するため、同社が業務執行組合員を務めるTHEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合に対し、当社の第6回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第20回新株予約権を第三者割当の方法により発行することを本日付で決議しております。詳細は本日公表の「第三者割当により発行される第6回無担保転換社債型新株予約権付社債(リファイナンス)及び第20回新株予約権の募集に関するお知らせ」をご参照ください。
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